雑記(主に政治や時事について)

日々の雑感。政治色が高い目。

安倍晋三民主主義人民共和国の国難を突破する解散

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テレビで異様な演説が垂れ流された。無論、安倍晋三の解散についての決意表明である。本人はこの演説を異様ともなんとも思っていないのだろうが、一体誰が彼の今日の演説を書いたのだろうか。

 

www.sankei.com

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ツッコミどころ満載の演説で、なんちゃら革命とか連発してるけど、お前の演説と脳ミソのほうが革命的だよとしか言いようがないのである。

 

 

生産性革命、人づくり革命はアベノミクス最大の勝負

まだ勝負してないの!? もう5年目だよ!!?? まあこれまでも色々やってたんだろうけど、少なくとも実感としては「景気良くなったな~」って人は周りでは見ないし。大体ジャンプ漫画じゃないんだから、5年もやっといて「これからが勝負だ!」ってないでしょw

それに「生産性革命」とか「人づくり革命」とか、元々「アベノミクス」とやらで謳っていた要素、一切ない気がするんですけど。

 

4年連続の賃金アップの流れをさらに力強く持続的なものとする。そのためには生産性を高めていくことが必要です。ロボット、IOT、人工知能、生産性を劇的に押し上げる最先端のイノベーションが今、世界を一変させようとしています。生産性革命をわが国がリードすることこそ、次なる成長戦略の最大の柱であります。2020(平成32)年度までの3年間を生産性革命集中投資期間と位置づけ、中小小規模事業も含め企業による設備や人材への投資を力強く促します。

(詳報(1)の2ページ目)

「生産性革命」何やりたいのかさっぱりわからんが、最後らへんの所を見ると、要するに民間企業に設備投資してくれってことらしい。そんなこと行政としては当然今でも毎日そこらじゅうでお願いしているだろうし、そんなこと解散せんでもできるやろ。

 

どんなに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば専修学校、大学に進学できる社会へと改革する。所得が低い家庭の子供たち、真に必要な子供たちに限って高等教育の無償化を必ず実現する決意です。

(詳報(1)の3ページ目)

 これが「人づくり革命」らしい。お前らが民主党政権の高校無償化潰したんちゃうんかいと突っ込まざるをえないが、一応「俺達は民主党政権とは違って、ちゃんと財源を確保してやるぜ」ということらしい。

私たちは、無駄遣いをなくせば2兆円出てくると無責任なことを言うわけにはいかないわけでありまして、もちろん無駄遣いは、これはしてはならない。

(詳報(4)の2ページ目)

 まあ、それにしたって3日前には射殺おじさん麻生副総理はこう仰っているのに、それをいきなり選挙公約にぶち上げるのもどうなのかと。

www.mof.go.jp

問)
安倍首相は消費税の増収分の使途を人づくりにも広げる意向との報道が出ています。使途の見直しについて大臣の御所見をお願いします。また、使途を変更すれば2020年度に基礎的財政収支を黒字化という目標の達成がますます難しくなると思いますが、2020年度の黒字化目標を堅持する考えにお変わりはないでしょうか。

答)
そうした報道がなされているという事実は承知していますけれども、財務省として政府としていわゆる新たな方針とか、それからPBの目標の変化とかというものを、変更するという方針を決めたという事実はありません。いずれにしても財政再建と経済再生というのは基本的な大筋ですから、これをきちんと双方しっかり踏まえて検討していきたいと考えています。

 

 それに、安倍ちゃんは「税金の使いみち変えるから選挙をする必要がある」と言っているが、そもそもその使途変更を日本人が望んだのか? 全く望んでいないというわけではないだろうが、少なくとも今いきなり選挙をやってまで、可及的早期に必要であると認識している人は殆どいないのではないだろうか。というか、教育政策の成果というのは、四半世紀とかそういうスパンで初めて目に見える結果が出るものなので、国会でなんの議論もされていないものをいきなり選挙の争点にするなどナンセンスである。それこそ取ってつけたような理由としか誰も思わないのである。

 

むしろ私はこういう時期にこそ選挙を行うことによって、北朝鮮問題への対応について国民の皆さんに問いたいと思います

北朝鮮が挑発するんなら、むしろわいらは選挙をやったる!」

……ヤンキースタイルである。つーか、一体どんな脳ミソをしていたらそんな結論になるのかわからん。国会で与党全体で2/3議席持っているのに、「北朝鮮に毅然と対応するため選挙をします」って、一体何を言っているのか。

北朝鮮に対する毅然とした態度を、ALL日本で示す最も有効な方法は、今すぐ臨時国会を開いて、冒頭で北朝鮮に対する非難決議を、与野党全会一致で採択することである。そして、つい10日前まで、自・公でその方向で合意していたのである。

www.jiji.com

だが、驚くべきことに日本国のヤンキー宰相は、「北に俺たちの気持ちを見せつけてやるぜ!」と言いながら、北朝鮮非難決議の採決すらせず、いきなり解散総選挙に持っていこうというのである。

mainichi.jp

そして、そんなことになっている理由は、結局こんなことらしい。

安倍晋三首相の冒頭解散方針に野党が反発しているだけでなく、決議案採択の手続きに入れば、野党が内閣不信任決議案を提出し、政府批判の演説の機会を与えてしまうことを与党が警戒しているためだ。

毎日新聞より)

それなのに、「北朝鮮に毅然とした対応を取る」ために、選挙をやるらしい。

北朝鮮が意図的に緊張をあおっている今だからこそ私たちはぶれてはならない。北朝鮮の脅かしに屈するようなことがあってはなりません。私はこの選挙で国民の皆さんから信任を得て、力強い外交を進めていく。北朝鮮に対して国際社会とともに毅然(きぜん)とした対応を取る考えであります。

(詳報(2)の5ページ目)

 日本の有権者に選ばれた野党にすら、国会で毅然とした対応を取らずに選挙に逃げる総理に、なんでならず者国家に毅然とした対応が取れるのか? そのへんもしっかりと説明していただきたいものである。

 

丁寧に説明する努力を重ねてまいりました

先の国会では森友学園への国有地売却の件、加計(かけ)学園による獣医学部の新設などが議論となり、国民の皆様から大きな不信を招きました。私自身、閉会中審査に出席するなど丁寧に説明する努力を重ねてまいりました。今後ともその考えに変わりはありません。 

(詳報(2)の5ページ目)

「今後ともその考えに変わりはありません」もクソも、「まだ説明が足らんから、臨時国会を早急に開け」と野党が言ったら、その臨時国会の冒頭で解散をしようというのだから、こんな舐めた話はないのである。

森友学園問題については8億円値引きについての調査を会計検査院がやっていて、その結果が10月末に出る。また、加計学園の許認可については、文部科学省の大学設置・学校法人審議会(設置審)が10月末ごろ許認可を判断する見込みだ。

www.tokyo-np.co.jp

選挙の投開票は10月22日との事で、総選挙後の特別国会は30日以内の招集が必要だから、最長で11月20日周辺の招集になる。

www.sankei.com

つまり、この冒頭のタイミングで解散総選挙をすれば、2つの学園問題の大きな山場を国会であれこれ追求されながら過ごす必要はなく、安倍ちゃん自身としては議席の確保さえできればよい。どこまで行っても自分の都合しか考えていない解散なのである。

 

この解散は「国難突破解散」であります

またとんでもねえパワーワードが飛び出したぞ。国難突破ですって。Twitterを見ても、当然ながら、この絵を即座に思い浮かべた方がいらっしゃった。

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そもそも5年間も総理大臣をやってて、大震災クラスの自然災害や、海外の景気動向の激変があったわけでもなく、北朝鮮のミサイルだってまだ日本を直撃したわけでもないのに、「国難」と言える事態に直面したというなら、それはもう完全にお前の政治がおかしかったせいだろうとしか言い様がないのだが、そんな反省は何一つない安倍ちゃんである。

それに、日本が近年「国難」といえる自体に直面したのは、間違いなく東日本大震災とそれに起因する福島原発事故である。その国難のさなか、対応に追われていた菅直人にとんでもないデマを飛ばし、国難突破の邪魔をしていたのは、他ならぬ安倍晋三である。

安倍首相のツイッターアカウント、菅元首相への福一事故海水注入中断デマ訴訟に「代替的真実」で勝利宣言 | BUZZAP!(バザップ!)

 

実際の国難に直面した内閣の邪魔をしておきながら、自らに訪れた危機をごまかすために行う解散に「国難突破」などという名前をつけるのだから、これはもうトンデモナイ人格の持ち主としか言いようがない。断言しよう。安倍晋三は日本の歴史上屈指のサイコパスである。

あ、そうか。日本は安倍晋三民主主義人民共和国なのだから、安倍ちゃんの危機とはすなわち「国難」なのね。そういう意味では間違いではないのか。

 

結論

  • 今日の会見で述べられた政策の数々は、基本的に選挙をやらないでも十分実施できるものか、直近での達成を求められていない政策ばかりである。
  • 北朝鮮への毅然とした対応のために、北朝鮮非難決議の採択を回避して選挙を行う、完全に意味不明である。
  • 日本の今の状況を「国難」と認識している日本人は、安倍晋三 = 日本と認識している安倍晋三唯一人である。